海外に車を売却する方法を解説
個人的に海外に車を輸出することは出来ますか?
もちろん、個人的に売ることは可能です。
ただ、その手続きがかなり面倒で、個人で単体での輸出だと費用が高額になることから、あまり広くは知られていません。
その手続きとは、ざっと一覧にして10項目
- 輸出する国を決める
- バイヤーもしくは買い手を見つける(売買契約書の締結)
- 運輸支局で輸出抹消手続き
- 輸出通関手続き(税関)
- 船の予約を取る
- 保税地域で車両の保管
- 外航貨物海上保険への加入
- B/L(貨物受領・引き渡し書類)の発行
- 買い手側の入金確認後、B/L送付
- 買い手側はB/Lを元に車両の引き取り
また、手続きの難しさだけでなく、船賃は韓国に送るだけでも約12万円、フィリピンで約20万円かかってしまいます。
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1.輸出する国を決める
日本車が売れない国に持って行っても仕方ないので、どの国に人気があるのか見てみましょう。
アラブ首長国連邦(UAE) | 155,770 |
---|---|
ロシア | 111,101 |
ニュージーランド | 103,302 |
ケニア | 74,995 |
チリ | 74,837 |
モンゴル | 55,507 |
タンザニア | 50,185 |
南アフリカ共和国 | 46,573 |
フィリピン | 36,221 |
スリランカ | 30,396 |
参照:gooネット
年間トータルで計算すると中古車だけで130万台以上が海外に輸出されていきます。
ただし、どんな車でもその国に輸出できる訳ではありません。各国で輸入制限がかけられています。
アラブ首長国連邦(UAE) | 右ハンドル車の輸入は原則禁止 |
---|---|
ロシア | ロシアの独自衛星機器の設置義務 |
ニュージーランド | 検疫検査・排出ガス基準合格車のみ輸入可能 |
ケニア | 初年度登録日より8年未満、排ガス基準合格や路上使用適格検査に現地で合格する事 |
チリ | 中古車の輸入は禁止と州により異なる。右ハンドルは左ハンドルに変更が必要 |
モンゴル | 1996年以前の車両はオゾン検査が必要。また、輸入者はモンゴルの国家登録局へ登録が必要 |
タンザニア | 日本でJAAIの検査合格が必要 |
南アフリカ共和国 | 商用・再販のための中古車の輸入は禁止 |
フィリピン | 中古車・右ハンドル車の輸入は全面禁止 |
スリランカ | 中古車はJAAIの検査に合格、右ハンドルかつ製造から2年未満の車両のみ |
各国の輸入制限は頻繁に変わるので最新の情報のご確認をお願いします。 |
車の輸入を禁止している国もあり、自分で使う車だと偽り持ち込みをして売れば密輸になります。
また、各国では輸出前の検査・整備規定を設けてる国もあり、検査後の証明書の発行が必須です。
さらに日本から輸出される車両は、すべての国で事前に放射能測定検査が義務付けられています。
2.バイヤーや買い手を決める
中でも一番ハードルが高いのが、買い手を探し、交渉し、売買契約書を締結し、入金まで全て外国語で完了させる点です。
(場合によってはクレーム対応もしなければいけません。)
買い手を探すには、各国にある在日商工会議所と連絡を取り、バイヤーを探してもらう方法を選択してください。
その国で需要がある車であれば、バイヤーが見つかる可能性はあります。
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もしもバイヤーが決まったら、次の手続き方法も見ていきましょう。
3.運輸支局で輸出抹消手続き
輸出予定日が決まったら輸出抹消手続きを運輸支局で行います。
(予定日の6か月前から手続きは可能です。)
手続き方法や必要書類はこちらのページを参照して下さい。
輸出抹消に必要な手続き方法
手続き後に発行された輸出抹消仮登録証明書が次の税関での手続き時に必要になります。
4.税関での手続き
ここからがまたややこしくなりますが、税関で必要になる書類は以下の通りです。
申告間違いを防ぐため、これらの手続きはフォワーダーと呼ばれる国際輸送の代行業者に任せるのが一般的です。
また、通関手続きから船の手配まで全て任せる際の費用の内訳もチェックしましょう。
項目 | 目安 |
---|---|
輸出代行費 | 50,000円〜 |
港までの陸送費 | 距離により異なる(最低20,000円〜) |
整備・検査代 | 輸出国の整備規制・輸出前検査により異なる |
通関手続き費用 | 20,000円〜 |
海上保険の加入 | かけるのは任意ですが、100万の車両なら約6,000円程度 |
海上輸送費(船賃) | 排気量により異なる(最低10万円〜) |
相場として分かるのは、輸出代行手数料と通関手続き費用だけで約7万円程度です。
規制がゆるく、年式も新しくその国で需要のある人気車種であれば、通常の、中古車買い取りで売るよりもかなり高い価格で売ることができます。
しかし、廃車にするような車であれば、仮に国内より高く売れたとしても上記のような手続き費用で足が出るケースが多です。
個人での輸出であれば、日本企業に買取から手続きまで全てお任せした方が、時間対費用から見ても得な選択になるでしょう。